特定非営利活動法人 あまのはら

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あまのはらニュース


第28号(2020年8月)


WEB版あまのはらニュース 目次

あまのはらニュース 巻頭 

あまのはらニュース28号特集(1)(2)(3)(4)(5)(6)




あまのはらニュース28号特集!


コロナ禍で地域活動支援センターはどうあるべきか

〜自主通所でコロナ第一波に対応したあまのはら〜

               文責 五十嵐正史


(2)コロナ感染第一波はいつがピークだったのか

 コロナ感染拡大において、何をもってその危険度を計るのかは正しく備えるためにとても重要ですが、今回にわかに登場して政府の対コロナ施策にも大きな役割を果たした専門家会議が提示した、感染者の「実行再生産数」というものがあります。これは、1人の感染者が何人の人にうつし新たな感染者を生み出すのかが分かる数値で、今後も毎年のように新たに発生するだろうと言われる(専門家会議副座長尾身茂氏の見解)新型ウイルスによる感染症への対処を考える手がかりとして、有効かつ重要だと言われています。その数値が最も高い時がつまり、コロナウイルスがもっとも元気で勢いのある感染しやすい時となるので、当然その時に人との接触はなるべく控えるべきという注意が求められることになります。
 専門家会議が、5月初めに公開した日本における実行再生産数の資料には、注目すべき結果が出ていました。それは、実行再生産数が最も高かった日、つまり感染力の最も強かったピークは全国平均で3月25日という結果です。この日は最初に述べた東京都知事が不要不急の外出自粛を要請した日と重なります。
 その3月25日以降、実行再生産数はゆるやかに減り続け、安倍首相が緊急事態宣言を出した4月7日の時点では0.7という数値になっていました。この数値の意味するところですが、実行再生産数が1だと1人の感染者が新規感染者を1人生み出すということです。そして、実行再生産数を導き出す数理モデルから言うと、1以上というのは、感染が拡大傾向にあるということ。逆に1以下であれば感染は減少傾向にあると言えます。つまり、緊急事態宣言が出された4月7日には、実はコロナウイルスそのものがピークアウト(最盛期)を過ぎていたのでした。
 しかし、当時我々の耳目に届いてきたのは圧倒的にその日の都道府県別感染者数であり、特に東京においては連日100人越えが続き、都知事は毎日テレビ、ラジオ、ネットとあらゆるメディアを総動員して(そのCM費用は東京都のコロナ対策費全体12億円中の9億円に達したとか)自粛要請を訴え続け、負けじと神奈川県知事も「神奈川から出ないでください!来ないでください!」とGWが始まった朝に緊急メールを発信し(何事かと驚いた神奈川県民から苦情がたくさん寄せられた)、テレビやラジオでもそれを連呼する姿と声ばかり流れました。
 私の実感としては、東京における連日の感染者100人超えアナウンスが、いやに気持ちをどんよりと沈ませ、あらゆる活動をためらわせ、人を恐怖に陥れ、果ては自粛しないものへ怒りの矛先を向ける(自粛警察)ことへ繋がっていったのではないかと思っています。少し考えれば、感染した時と感染者として明らかになるまでには時間差のあることは分かるはずです。先に述べた実行再生産数を同時に公表すれば、連日明らかになった感染者数(あくまで検査をした限りにおいて)は増え続けているが、感染力はすでに弱くなっていると知り得たのです。もしそのような公表の仕方であったならば、人々の恐怖心や他者へ向ける猜疑心は多少緩和されたのではないでしょうか。
 いや、あのように厳しめに言わなければ、法的拘束力のない“要請”にそもそも大衆が従うはずはない。ああいう風にメディアを総動員して連日感染者数を公表して注意喚起をしたからこそ、この程度で抑え込めたのだと主張する人が多いだろうことは予測できます。でも、現段階で「あの時何が正しかったのか?」を論ずるより、自ずとこれから明らかになるばかりのコロナ第一波の実態が公表されてから検証する方が(それはおそらく議論の余地のない結果として出てくる)、平行線のままの議論を喧々諤々とするよりよほど有益と思われます。
 そこでどうしても押さえておきたいことがあります。あれだけ連日100人超えの感染者が発表され、それを受けて「自分の所から絶対に感染者を出したくない」という思いから、人の集まる場所でもあった私にとっても馴染みのお店等が、苦渋の選択(休業要請と共に補償は提示されず、後手に回った協力金、給付金の類はその申請の煩雑さと支給に至るまで時間がかかりすぎる)をして閉めた所が続出したのを、衝撃と無力感をもって受け止めざるを得なかったのですが、今回のコロナ第一波における感染死亡者数は、977名(7月6日現在)です。毎年3000名近くがインフルエンザで亡くなり、関連死も入れると10000人を超える厳然たる数値に対し、その対策としては店を休業させたり施設を閉所することなど一切せずに活動して来たのに、しかも、インフルエンザはワクチンや治療薬があるにもかかわらずこれだけの死亡者が出てしまう。方や、2月の末から5月末まで3か月も学校を閉じ、自粛を執拗に要請して人との接触を8割減らし、買い物は3日に1回とし(その前に買い占めもありました)、あらゆる場面においての事実上のマスク着用義務付け、その上でさらに人との間隔を2m空ける等(本来どちらかで良いもの)の経験したことのない対策がとられたコロナウイルス。
 果たして第2波が来た時も今回と同様に“閉じる”必要があるのでしょうか?

(3)

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